今から約5年程前、建築関係(主に古い民家などの再生、保存)の仕事をメインにしていた頃に、ある工務店さんから古民家の移築再生のお話をいただき、こちらの民家再生の仕事に携わらせていただいたことがある。
私は現場の管理と空間デザインに携わらせていただいた。
雪国、新潟の小千谷市から千葉県内に移築再生を行ったのだが、実は、こちらの民家は2度目の移築だそうで1度目は幕末頃に同じく新潟県内から移築されたとか。当初、建てられたのはいつごろなのだろうか・・・
小千谷での解体を終え運搬車が出発したのは中越地震が発生した約1時間前だとか。
こちらの民家の拘りは素晴らしい。
壁は竹小舞を組んで土壁に、外部の窓は古い木製戸などを、床板や内部の建具は移築された民家のものを、照明は明治~昭和のものを、塗料は柿渋に弁柄を、囲炉裏に、三和土の土間に、古道具はあちこちに・・・
お庭では綿を育て、藍を育て、綿を紡いで糸にし、手で織る。藍染めにもかなりの拘りが。そして道具は古いものを使う。日々、増えていく自給自足の生活。そんなご夫妻の生き方に感銘を受けております
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現在、急激になくなりつつある古民家、古き良き日本の伝統技術、お金には換えられない価値のあるもの・・・古道具などを次の世代に伝承し再生してゆきたいと思っております。